息子出産までの大冒険の記事 (2/3)

肺低形成疑い、選択肢の出現(25週)

★26週を前に、先生から予定帝王切開のすすめを受ける。

3週間ぶりに、産科と新生児科両方の先生とのお話の時間がやってきた。

「感染の状態が良いため、25週6日まで妊娠継続することができました。
推定体重は630~660グラムくらいで赤ちゃんもがんばって成長しています。
羊水は少ないまま経過しています。
16週から羊水過少があるため、そのことにより肺低形成が懸念されます。

26週以降での羊水過少の例では、当院では2週間以内での娩出をすすめています。

赤ちゃんにとっての娩出時期を産科、新生児科で相談し、候補としては26週5日目での帝王切開を検討しました。

緊急に娩出しなければいけない悪い状況が起きているわけではないので、お父さんとお母さんのご希望によっては日にちを再度検討します。」


産科の先生からは、

「常位胎盤早期剥離など、お腹の中で恐い緊急事態が起きる前に、出産にしたほうが良いと思います。
まだ大丈夫、と先伸ばしにしていて、取り返しのつかない不幸なお産になってしまった時、お母さんが自分を責めてしまうから。」

という趣旨でさらにお話があった。


新生児科の先生からは、

「22週の時点に比べれば、26週での出産は救命率も長期予後も格段に改善します。
ただ、肺低形成が疑われていることもあり、お子さんの正確な状態は生まれてみるまで分かりません。
肺の形成に関しては、お腹の中にいても、外に出しても、どちらにしても厳しいかもしれません。
新生児科の立場として、一般的には、26週でもまだまだ未熟ですので、さらに少しでも妊娠継続してもらえるのが望ましいですが、産科の先生方のおっしゃるリスクの怖さもよく分かります。
お父さんとお母さんでご意見を話し合ってみてください。」

との説明だった。


感染については、兆候をチェックできても、胎盤剥離は突然起こるから、起こってしまってからでは超緊急事態なのだ。

常位胎盤早期剥離が起こる確率は、破水してることによってどのくらい通常より上がっているのだろうか?

聞いてみたが、常位胎盤早期剥離そのものの発生頻度がとても低いため、確率は出せないという事だった。


肺の低形成については?

うちの赤ちゃんの問題点としてお話をされたけど、出産時期を考える材料としては、結局、問題にできないんじゃないだろうか。
ここの病院が、羊水注入をしない方針である以上、肺の低形成に対しては様子を見ながら週数を稼ぐしかできることはないのではないか。
羊水が増えない限り、お腹の中で肺が順調に形成されることはないのかもしれないけど、だからと言って肺の低形成が、早く外に出したほうが良いという理由になるのだろうか?
お腹の中でできるだけ長く育ったほうが、外に出たとき、少なくとも肺以外の器官はより成熟していて楽に動いてくれるんじゃないのかな?


夫は、私のやりたいように決めて良いと言う。

もうちょっと悩んで決めたいと思った。

羊水量の推移(22週~25週)

★前期破水入院中(22週・23週・24週・25週)

ベッドから起き上がって座った姿勢になったり、寝返りを打ったり、あとは、全く動いてないタイミングでも不意に、1日に1回か2回ずつ「じょろっ」と羊水が流出していた。
22週3日目から、毎日1~2回ずつだ。

ナプキンを毎日提出していて、色や重さをチェックしてもらった。
25週目までは羊水に色が付いていた事は一度もなかった。
出血もなかった。
重さはナプキン本体を引いて、1日の流出量は10~30グラムぐらいとのことだった。

経腹エコーで羊水量を測ってもらった。


・23週5日
一番大きな羊水腔で取れる直線距離2.5cm

・25週0日
一番大きな羊水腔で取れる直線距離2.5cm、
羊水ポケット(取れる円の直径)1.2cm、
AFI(子宮腔を四分割したそれぞれの羊水腔の最大深度合計)4.5cm

・25週1日
一番大きな羊水腔で取れる直線距離2.4cm、
羊水ポケット1.2cm

・25週3日
羊水ポケット2.0cm

・25週6日
羊水ポケット1.2cm


赤ちゃんはおしっこしてくれているので、羊水の産生はあるけれど、流出が続いているので羊水過少状態は変わらず、という所だ。

推定体重の推移(22週~25週)

★前期破水入院中(22週・23週・24週・25週)

主治医の先生の経腹エコーでは、臍帯血流、赤ちゃんの脳内血流や心拍に異常がないか、つまり赤ちゃんにちゃんと栄養や酸素が届いているか、赤ちゃんの成長が止まっていないかを毎回詳しく診察してくれた。

推定体重は順調に増えてきており、血流にも問題はなく、子宮内胎児発育遅延は起こっていないとのことだった。

推定体重
22週5日 411g(骨盤位)
23週1日 460g(横位)
23週5日 461g(骨盤位)
24週1日 505g(骨盤位)
24週5日 630g(骨盤位)、頭の幅5.8cm
25週0日 660g(骨盤位)

骨盤位(逆子)だと、頭の形が長頭(絶壁の反対で後頭部が出っ張った形)ぎみになるそうで、推定体重が本来より軽めに算出されるそうだが、推移としては順調に成長しているようだ。

炎症数値の推移(22週~25週)

★前期破水入院中(22週・23週・24週・25週)

抗生剤の点滴は、転院から5日間続けてもらい、23週4日目の朝に終了した。

子宮収縮抑制剤ウテメリンの点滴はその後も続いた。
ウテメリンの点滴が長くなってくると、結構辛かった。
動悸などの副作用は平気だったけれど、腕の、点滴が刺さっている所がしょっちゅう腫れて、痛んで、熱を帯びてくるのだ。
腫れ始めるともう、じんじん、ズキズキ痛くて「点滴痛い!!!」って事しか考えられない。
血管から薬液が漏れることで腫れるそうで、腫れてきたら別の場所に針の刺し替えをしてもらう。
刺し替えてもらっても、半日も持たずにまた腫れてくる事も多かった。
一度腫れたら、抜いてもらってもしばらくは虫刺され痕のように痒くて熱い。
次の刺し替えに備えて保冷剤を当てて冷やした。

およそ週2回ペースの血液検査で、子宮内の感染兆候がないかを監視してもらった。
体の中に炎症があれば、CRPという項目の数値が上がるという。

0.2以上が陽性の数値だそうだ。
破水している以上、陽性になるのは仕方ないそうで、私も0.2を超える数値がたびたび出た。
とはいっても、羊水や赤ちゃんに感染があれば、もっと遥かに高い数値が出るものだそうで、血液検査のたびに、「感染兆候なし」の判断をしてもらえた。
そして1日、また1日と、少しずつ妊娠週数を稼いだ。

CRP値
22週5日 0.03
23週0日 0.56
23週2日 0.44
23週5日 0.18
24週1日 0.23
24週5日 0.18
25週2日 0.22
25週6日 0.28

子宮内の感染、炎症は否定される範囲ながら、CRP値は日によって若干上がったり下がったりと変動している。
私は思った。
これって、腕の炎症具合と連動しているんじゃないか??

0.56だった日は、手首近くから肘までパンパンに腫れていたのだ。
陰性になった時は、ほとんど腕に痛みがなかった時だ。

子宮の中はきっとキレイなままだ!
点滴の痛みのせいでCRPが陽性になっているんだ!
赤ちゃんにもバイ菌はくっついていないよね!

ポジティブシンキングで腕の痛みを乗りきった。


早産の生存率・予後(22週)

★22週6日、転院先での治療開始。

子宮収縮抑制剤のウテメリン(1A30ml/h)の点滴。
抗生剤も点滴に戻った。

朝から経膣エコー診察と膣洗浄。
1日2回、胎児心拍モニタリング。
病室内安静で、トイレ付きの個室から出る時は、車イスで、診察かシャワーを浴びに行く時だけだ。


治療が始まった初日で、明日でやっと23週というこの日、新生児科の先生が病室に来て、今すぐ出産になった場合の、赤ちゃんの予後について、お話をしていった。


「早産で生まれた未熟なお子さんは、生まれてからしばらくの間は、医療の助けがないと生きていくことができません。
またどんなに頑張っても、さまざまな合併症等に伴う障害の可能性が残ります。

基本的には、できるだけ妊娠週数を延ばすことがお子さんの発育を促し、リスクから遠ざけることになります。
しかしすでに破水しているため、治療を前提に考えた場合に、羊水過少や感染リスク等との関係で分娩時期を決める必要も出てくるかもしれません。

妊娠23週未満、推定体重400g台のお子さんは生存率もさることながら、先々の問題も大きいので、積極的な蘇生の方針を取ることが、必ずしもお子さんのためになるとは限らないと考えています。
どのような方針を取っていくことが良いのか、ご家族と一緒に考えたいと思いますので、お考えをお聞かせください。」

妊娠週数と体重ごとの生存率の表、後遺症の発生確率のデータも見せられた。

これを見て、生まれた後の赤ちゃんに何をしてあげるのか考えてください、という事らしい。


まだ生みたくない。
生まれたあとの事は、その時にならないと考えられない。

今考えられる事なんて何もなかった。
先生の問いかけに答えられず、答えないまま、お話の時間は終わった。


23週になっていたら、結果はともかく、何がなんでも赤ちゃんを助ける治療をしてもらえるんだとばかり思っていたのに、「治療するかどうか相談しましょう」と言われてしまった。

それほど、23週の赤ちゃんを助けるのは難しい事なんだ。
やっぱりまだお腹に入れておかなくちゃ。


破水してるけど、だからってすぐには生まれてこないはず。
羊水少ないけど、この子にとっては足りてるはず。

まだお腹の中にいて大丈夫。
大丈夫なはずだ!!

とにかくそう思い込んだ。


破水しています(22週)

★22週5日、神奈川県立こども医療センターに転院。


夜8時頃、搬送先の病院に到着した。

一通りの検査を受け、主治医となった先生から説明を受けた。


「【診断名】22週5日 前期破水、羊水過少、切迫早産、骨盤位

・破水しています。

22週は通常ですと破水は起こらない時期です。胎盤を起点とした感染が原因している可能性があります。

赤ちゃんの膜が破れて羊水が流れ出てしまったため、今は羊水が非常に少ない状態です。


今後感染の進行が進んでいきます。

感染が増悪すれば、お腹の張りが強くなって陣痛が来たり、赤ちゃんの状態が悪くなる可能性があります。

感染が蔓延したお腹の中の環境は赤ちゃんにとって良くないため、長くはお腹の中にはいられません。

近くにお産になることが想定されます。


今の赤ちゃんの推定体重は411g程です。


早産の赤ちゃんは週数が早いほど、合併症のリスクが高くなります。

当院では23週0日以降の赤ちゃんの治療を行っています。

まずは1日1日週数を稼ぐことが重要です。


ステロイドの注射をお母さんに打つことで、産まれた後の赤ちゃんの肺の成熟や脳血管の状態が良くなります。


治療としては、子宮収縮抑制剤持続点滴、抗生剤、膣洗浄、安静を行います。


23週以降の赤ちゃんの分娩方針は緊急帝王切開術となります。

時期は感染の程度と赤ちゃんの元気さを早産週数との兼ね合いで慎重に決めていきます。」



今日、明日、もし陣痛が来たら・・・?

赤ちゃん助けてくれないんだ。。

来ないとは思うけど、明後日までは絶対に陣痛が来ませんように。

そう祈った。


つづく・・・

破水、母体搬送(22週)

★22週5日、母体搬送。


月曜日。

この日の朝から、感染防止の抗生剤が点滴から内服薬に変わった。

午前中に診察があった。

なんと!入院した金曜日より羊水が増えているという。

0.8cmだった羊水ポケットが、1.2cmに!

0.8cmと測ってもらってから大量に流れ出たのに!

それでも増えてる!

赤ちゃんおしっこいっぱいしてくれているんだな。

ありがとう!!!


昼頃に先生がやって来た。

「週が明けてチームみんなで話し合いをしました。

明日にでももう一度羊水注入してはどうかという意見が出まして、ご本人のご希望を聞きたいと思います。

今日のうちに少し考えてみてください。」

羊水注入できるスペースができたということかなあ。

でもまたお腹に針を刺して、さらに膜が弱くなったりしないんだろうか。

せっかく入れても出てきてしまったら嫌だなあ。

今日の明日ってずいぶん急過ぎない??

だって、明日、刺激になるようなことをして、もし生まれちゃったとしたら、まだ22週中だよ…

ステロイドの効き目は1週間だっけか。

23週3日までってことか。

そのあたりで入れてもらうのはどうだろう?


考えてと言われたので、色々と考えていた。


16時頃。

先生が入って来た。

羊水注入のお話かな?

…と思ったら、全然、違った。

「色々と皆で話し合っている中で、早めに転院してもらったらどうかということになりました。

こういう状況になったので、満期まで妊娠継続できる可能性は、低いと思います。

早く生まれた赤ちゃんは、お母さんより入院が長くなるので、

お母さんはおっぱいをあげに通わなくてはいけなかったりします。

ここはご自宅からかなり遠いですし、赤ちゃんのベッドの空きもありません。

陣痛が始まってから緊急に都内、この近くの病院に搬送するよりも、少しでもご自宅に近い病院に今のうちに移ってもらうのが良いんじゃないかということになりました。」

確かにここ昭和大学病院は家から相当遠いのだ。

遠いけど、羊水注入をしてくれる病院がほかに探せなくて、ここで診てもらっているのだ。

先生の話は続く。

「で、神奈川県立こども医療センターで、受け入れができるとのことなので、今から搬送車でお送りします。

急ですみませんが、先方が今日お待ちしてますと言ってくださったので…。」

えっ、今日、今から!?

こちらに選択肢はない話だったみたいだ。

そして羊水注入の話はなくなったみたいだ。

書類を準備するのでその間に看護師が荷物を纏めます、寝てていいですよ、

と言って先生は去って行った。


張り止めの点滴をしたまま、迎えに来た搬送用ベッドに寝かされて、病室から寝たまま搬送車へ移してもらった。

先生、看護師さんみんなでお見送りしてくれる。

18時頃、出発。

そうそう、この日は朝、東京にも結構な雪が降っていたのだ。

道路混まないといいな。

高速道路に乗るまでは車内が揺れた。



つづく・・・

前期破水、切迫早産で抗生剤&張り止め点滴(22週)

★22週3日、張り止め点滴開始。


土曜日。

昨晩から朝まで、きゅーっというお腹の張りがある。

子宮が硬く小さくなるような。

何分に一回規則的に、というのではなく、常にきゅーっと縮こまっているという感じ。

座って朝食を食べていると、寝ている時よりさらにお腹が固くなっている。

赤ちゃん狭いだろうな。

苦しくないかなあ。


とそこへ、救いの一手が。

先生が来て、

「チームで話し合って、今日から張り止めの点滴をさせてもらうことにしました。

少なくともステロイドが効いてくるまでの間は、陣痛を起こさないように張りを抑えようということで。」

ぜひお願いします。

ウテロンという張り止めの点滴が始まった。

薬が入って30分もすると、あからさまにお腹がふわふわになってきた。

嬉しかった。

看護師さんの説明のとおり、心臓がドクドクしたり、手が震えたり、ウテロンの副作用も少し感じた。

寝ているだけなので手が震えても、多少の動悸がしても別に困ることはなかった。

とにかく分かりやすくお腹がふわふわになって嬉しかった。


夜には昨日に引き続きステロイドの筋肉注射をもう一本。


張り止めのおかげか、日曜日、月曜日と何事もなく朝を迎えられた。

月曜日の朝には、抗生剤が点滴ではなく内服薬に変わった。


落ち着いてるな。

妊婦のまま、まだここにしばらく入院していられそう。

良かった。


そう思ってたら、いきなり母体搬送で転院!?の急展開がやってきた。


つづく・・・

破水、ステロイド注射、抗生剤(22週)

★22週2日、前期破水で入院直後・・・


点滴に備え、針だけをまず刺される。

「ルート確保」とかいうらしい。

手首の骨に沿った血管に刺される。

痛~い。。

2年前の出産の時、点滴されていたけど、こんなに痛かったっけ?

陣痛の痛みで紛れていたのだろうか。

まだ何の薬も入ってこない、ただの針が痛くて憎らしい。(笑)


夕食が運ばれてくると同時に、注射も登場。

リンデロンというステロイドを肩に注射する。

お食事中ごめんなさいね、と看護師さん。

一刻も早くしたほうがいい注射!!という感じだ。

ちょっと痛いですよ、我慢してね、と言われたけど、そんなに痛くなかった。

ルート確保のほうがよっぽど痛い。


ベッドで食事が終わって、一旦横になる。


21時頃、抗生剤の点滴の準備が始まった。

繋がれる前にトイレに行っておくことに。

起き上がろうとしたその時・・・

しゃーーっと温かい水が流れ出る感覚が!!

これは。

これこそは、破水って感じだ。

座ってみても、斜めに傾いてみても、じわじわと水が出てくる。

少ない少ないと言われてたけど、こんなに羊水入っていたんだ!?

と思うくらい、今までにない量が出てパジャマのズボンがビチョビチョになる。

シーツも直径30センチくらいの円ができるくらい濡れてしまった。

そして独特の匂いがする。

家で、破水と思った時は甘いような、どちらかというといい匂いがしたけど、

今出てくる羊水は、これは、精液の匂いだ。

うすーい精液って感じで、苦いような青臭いような匂い。

看護師さん、

「これ羊水の匂いだね。

トイレに行く前に、一回先生に診てもらいましょう。」


あー、本当に破水してたんだ。

こりゃ絶対ほんものの破水だもんね。

陣痛が来ても、おかしくないって、言われたのが分かる・・・


ここで初めて悲観的になった私。


診察台へ。

病棟に来た時と同じように、膣に何か入れて調べられる。

こんなに羊水が出ちゃって、一体どうなっちゃうんだろう?何が起きるんだ?とドキドキ。

ところが先生は、

「うん。やっぱり破水だね。

さっきと大きく変化したわけじゃないから。

赤ちゃんの心臓も動いてるし。

ま、大丈夫だよ!」

だって。

肩をぽんと叩かれた。

なんだか拍子抜けしてホッとした。

子宮や出口や赤ちゃんがさっきまでと変わったわけじゃないんだ。。

あんなに水が減ったはずなのに。

へんなの。

でもまあ大丈夫と言ってもらえたからそんな気がした。(笑)

またすぐ楽観的になる私。


抗生剤の点滴が始まると、時々きゅーっとお腹が張る感じがあった。

でも不安になってもしょうがないから無視して寝た。

大丈夫大丈夫。


つづく・・・

前期破水・切迫早産(22週)

★22週2日 前期破水・切迫早産で入院。


病棟に到着し、詳細に検査を受ける。

「前回の破水疑いと違って、今回は明らかに破水してしまっています。

羊水はもともと少なかったですが、今、羊水ポケットは0.8cmととても少なくなっています。

破水してしまった以上、まもなく陣痛が来てお産になる可能性があります。」

と先生。

当面、娘を実家で預かってもらうことにし、母を呼ぶ。

夫と母と娘と一緒に先生からの説明を聞く。

「22週に入り、生育限界は超えていますが、今生まれてしまうと外の世界は赤ちゃんには非常に過酷です。

うちのNICUは今、満床以上の赤ちゃんを抱えていて、あなたの赤ちゃんが生まれた場合の受け入れができません。

もし陣痛が発来した場合は、受け入れ可能なNICUの空きのある病院を探して母体搬送します。

こちらでの治療の方針としては、まず、生まれた後の赤ちゃんの肺を少しでも強くするために、ステロイドを母体に筋肉注射します。

これは24時間を空けて2回おこなうと、その48時間後から効果が発揮されるものです。

このあとすぐに、1回目の注射をします。

それから、感染予防の薬を点滴します。

羊膜が破れて子宮内が外の世界の雑菌と直接接している状態なので、感染にかかるおそれがあります。

羊水や赤ちゃんがバイ菌に感染すると、赤ちゃんの具合が悪くなってしまい、大変危険です。

また、感染が起きると子宮では赤ちゃんを出そうして収縮が起き、それが陣痛に繋がります。

点滴で抗生剤を投与して、感染を減らせるように対策をします。

治療の方針で何か質問はありますか?」

ステロイドの注射の効果はいつまで持続するものなのか、気になったので質問した。

今回は破水してる、と言われても、前回との違いが自分には感じられなかったし、まだまだ、こんなに早くに陣痛が来て生まれるわけはないだろうと思っていたからだ。

「ステロイドの効果は2回の投与が済んで48時間~1週間は変わらないと言われています。」

とのこと。

1週間経ってまだ生まれていなかったら、もう一度ステロイド注射を使えるんですか?

「母体へのステロイド投与は、2回1セットだけにとどめます。

2度以上行うことのメリットと安全性が証明されていないんです。」

そうなんだ。

まもなく生まれちゃうという前提で、1回きり使えるステロイドを今日から注射するという事ですね?

「鋭いね。その通りです。」

そうか。

本当にもう出産になるかもしれないんだ。。

できればここで出産させてもらいたかったけど、どこか違う病院に移ることになりそうだ。

仮に、ここのNICUに空きができるまで妊娠継続できたとしたら??

聞いてみた。

「そうなったらうちで出産には対応できます。

ただし、ここの方針で、25週未満のお産には帝王切開を適用しないことになっているんです。

経膣分娩より帝王切開のほうが確かに赤ちゃんへの負担は少ないのですが、

それでも帝王切開で出してあげた22週、23週、24週の赤ちゃんが外の世界に耐えられるのかというと、実際にはとても厳しいのです。

また、若い週数での帝王切開は、子宮の筋肉が厚いため、正期産の帝王切開よりずっとお母さんへの負担が大きくなります。

母体に負担をかけて帝王切開しても、実際、24週までの赤ちゃんでは経膣分娩との予後が変わらないというデータが出ているため、

うちの病院では、25週になるまでは母体へのリスクのほうを優先する方針です。

もちろん、生まれた赤ちゃんには、NICUで出来るだけのことはします。」

なるほど。

丁寧に説明してもらい、ひとまずの疑問はなくなった。


と、そこで母が、

また羊水注入で羊水を増やしていくことはできないんでしょうか?

と質問。

「今のところ、それは考えていません。

ここまで少なくなってしまった羊水腔に正確に羊水注入するのは難易度がとても高いのと、

膜がすでに破れているため、新しく入れてもすぐに漏れ出てきてしまう可能性が高いからです。」

私自身はその時、また羊水注入をしてもらいたいとは思っていなかったし、思いつく質問は全部したので、納得できて先生からの説明は終わった。


少し羊水が減っちゃったけど、

破水検査でも陽性と出たけど、

また安静に寝ていれば、こないだのように自然に羊水が増えてくるだろうな。きっと。

シビアな説明が終わっても、まだそんなふうに思えてならなかった。


ところが、、、

説明を聞き終えて家族がみんな帰り、MFICUに一人になってから、

はじめて、「わ!!こりゃもうダメかも!」

と焦った瞬間が来た。



つづく・・・